藤原竜也は美しい青年である。
夏木マリは妖艶なオトナの女である。
『絹の靴下』と『バトルロワイヤル』がこういう出会い方をしたっていい、んだろうな。
子どもだった頃、森進一がいくら『年上の女』を熱唱しようとも、わたしには年下の男性ってのが、よくわからんかった。
年下に心惹かれることなんてナイ、と思ってた。
まあ、ファザコンだったせいだろう。
とにかく、今回の芝居の台詞はほとんどアタマに入ってるからな。
あの台詞を夏木マリがどんな風に言うかって、そりゃ楽しみにしてたさ。
「あなたを少し好きになったから」
まあ、よい。
でだ。おいらは思ったね。
藤原竜也はプロの俳優だし、蜷川は世界のNINAGAWAだ。
しかし、昔日の早川英男氏の声も、たたずまいも、狂気も……昨日の藤原竜也とちっとも違わない。
カッコよかった。
むしろ声には奥行きがあって、藤原以上だった。
世の中のことまったくわけわかってねえ、あの頃のわたしが、天才みたいな先輩にうっとりするのも無理はない。
あのお芝居は誰が演出してたんだろうか?
あの時の、あの台本の解釈はすでに世界レベルだったっつーことですか?
ついつい、こんなことめったにしないのに日銀,早川英男で検索しちゃったさ。
したらば、出るわ出るわ……。