ちょっと長い関係のぶるーす

secondhand books 「六月」のブログ

三島由紀夫

藤原竜也が最後の台詞を吐いた直後、背景のホリゾント幕がばさっと大きな音で落ちてしまう。

むきだしのコンクリート
おそらくは劇場の壁。

スピーカーから誰かの声がするのだが、何を言ってんだか、うまく聞き取れない。

役者が台詞を言ってんじゃない。
アジ演説のようだし、背後の雑音もかなり聞こえる。

なんか前世紀の手法だな、と思う。
どうせ三島の演説だろ?
でなきゃ無意味だ。

で、その演説は市ケ谷の実況録音だろうか?
それにしては声に緊迫感がない。

まあ、そんなことをぐずぐず考えながら、帰宅後、2ちゃんで調べると、やっぱり三島の声ではあるらしい。

どうせ三島だろ? と思ってそれがビンゴだったりしても、あ、やっぱりね〜で終わっちゃう。

でも一つ、発見もあった。
それは三島が俊徳に自身を投影してたってことだ。

俊徳は級子に救済されるが、三島に救済は訪れない。
25年後の自刃でむりやり自己完結するしか道はなかった。

そう言われればまさにその通り。

読みが浅かった。