ちょっと長い関係のぶるーす

secondhand books 「六月」のブログ

おはん

84年、市川崑
吉永小百合主演。石坂浩二は二人の女の間を行ったり来たり口から出まかせのクズっぷりがすごい。置き屋の女将兼芸者の大原麗子も最盛期か? すごく色っぽい。芸達者この上ないミヤコ蝶々、懐かしい。
宇野千代原作。
茅葺き屋根で演じられる文楽「傾城阿波の鳴門」とか、まあ、昭和の映画のいいとこ全部入っててすごい。
着物が今の着物とはかなり違っていて、ぞろりとしているというか、だらしないというか、夢二の描く女のようだ。半衿をたくさん見せているのはまあわしの憧れもあるので良いとして、みんな床に届くくらいの長さで着ている。浮世絵みたい。本当なのか誇張なのか確かめようがないので困る。

雨の中、迎えに来た大原麗子石坂浩二がもつれあって倒れ込む。
大原麗子はお座敷帰りで、かなり派手な着物。「ずぶずぶやがな」と石坂浩二。雨なので着物も汚れる。一発撮りですか? それとも着物着替えて何度も撮ったんですか?

後半、大原麗子が色無地に黒い羽織を着て乗り込んで来る場面。昨日の『らんまん』でも寿恵子は黒紋付の羽織を着ていた。 佐久間由依も黒紋付で出掛ける場面があった。
下は普段着でも黒紋付さえ着ていれば、こちらが本気だと相手に伝わる勝負服ってことやね。