ちょっと長い関係のぶるーす

secondhand books 「六月」のブログ

浅川マキの夜

東銀座からまっすぐ国立へ急ぐ。

これを書いているのは、実は7日の夜、大河ドラマを見ながらである。
過去の日付に戻って、まるでその日の夜書いているかのように書いておるわけだ。

あの夜の熱狂ぶりはすでに出演者&参加者各位がFaceBook上で、しっかり書いておられる。
どうか検索&リンクをたどって熱狂の一端を感じ取っていただきたい。

すばらしかった。

萩原さんはニット帽かぶった気さくで陽気なおじさんで、舞台上でギターかきならしてた長髪の頃とは全然違うのである。わしの妄想は一瞬で吹っ飛んだ。

浅川マキは終始一貫「浅川マキ」であり続けた。ステージ衣装もずっと同じ。同じだからって一張羅ではなかったのだ。なかでも客が一番よろこんだのは、この話題。
寺本さん「同じ人に仕立ててもらってたあの黒いドレスは5着あったんです。ブーツだって同じものが何足もあった」
客「おお〜っ」
萩原「マキは足がキレイなの。指もキレイなの」
客「おお〜っ」
でも女の客が最前列に座って、あろうことかミニスカで白い脚を見せてるのが目に入ると歌えなくなる。信じられんがわからんでもない。

さて打ち上げ。
ワインがお好きな五郎さんのために夫に供出させた1本を風呂敷に包んでリュックに詰め込んできたものの、五郎さん断酒中であらせられ残念至極。

それと、白夜書房を退職された藤脇邦夫さんとお初にお目にかかりお話した内容も書いておこう。白夜書房っつったらアレよ。『写真時代』の版元なので格別の思い入れがある。
藤脇さんは2つ上。話の内容といい、こちらに向けた顔の角度といい、新聞部か美術部の部室で、浅川マキについて、とうとうと語る3年生の先輩と新入生のようだった。

藤脇「あの選曲、おかしいよぉ」
たま「びっくりポンや〜ですよね〜」
藤「まあ、予想に反して初期の寺山時代の曲が中心、という方向性はむりやり納得したとして、なんで『ちっちゃな時から』がライブ版と普通のと2曲もはいっているのよぉ〜、おかしいでしょ!」
た(ん?……入ってたっけ?)
た「Amazonで買って毎晩聞いてんですがね『眠るのが怖い』ってトントコトンって太鼓とか、ピ〜ひゃらら〜ってお祭りの笛ですよね。フルートじゃないですよね。いきなりの祭囃子が外人には新鮮なんじゃないっすか?」
藤「ん?」
た「フルートもクラシックの人が吹いてると思えない。ジャズフルートってあるのかなあ」
藤「誰だろう? フルート」
た「とにかく、まずあの祭囃子でジャパネスクっつーかエスニックというかアジアの音で驚かして、それから前世紀の日本にこんな歌手がいたことを世界に知らしめる、と」
藤「そうか〜、そういう意図で選んだんならおかしくはないのか? ちょっとはわかるかな」