ちょっと長い関係のぶるーす

secondhand books 「六月」のブログ

ようこそ先輩

NHKの『ようこそ先輩・課外授業』は本当によくできている。

昨日見たのは、装丁の菊地信義の授業だった。

谷川俊太郎の『生きる』というわずか7行の詩に表紙と腰巻をつける。

それを小学生にやらせる。


それぞれの子どもに「きみたちの『生きる』を1行で書いて」という宿題を出し、その彼らなりの詩の8行めを腰巻の文にする。


すばらしい。


「わずか7行」とさっき書いたが、大間違いだった!

本当は以下に引用するように第5連まであるのか!
なんか、おいらは最初の連の7行だけの方がいいような気がする。

とっても不遜だけど……。


以下、引用


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「生きる」    谷川俊太郎


生きているということ

いま生きているということ

それはのどがかわくということ

木もれ陽がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ

くしゃみをすること

あなたと手をつなぐこと




生きているということ

いま生きているということ

それはミニスカート

それはプラネタリウム

それはヨハン・シュトラウス

それはピカソ

それはアルプス

すべての美しいものに出会うということ

そしてかくされた悪を注意深くこばむこと




生きているということ

いま生きているということ

泣けるということ

笑えるということ

怒れるということ

自由ということ



生きているということ

いま生きているということ

いま遠くで犬が吠えるということ

いま地球が廻っているということ

いまどこかで産声があがるということ

いまどこかで兵士が傷つくということ

いまぶらんこがゆれているということ

いまいまが過ぎてゆくこと



生きているということ

いま生きているということ

鳥ははばたくということ

海はとどろくということ

かたつむりははうということ

人は愛するということ

あなたの手のぬくみ

いのちということ


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岡崎武志さんの日記に、谷川さんの「散文」に詩を感じるとあったので、トラックバック